計算アプリを2本追加

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新アプリ2本を公開:姿勢安定性(転倒)検証SEMI S2 ヒンジ負荷計算

「装置が何度傾いたら転倒するか」を確かめる姿勢安定性検証アプリと、 扉・パネルのヒンジが十分な強度をもつか判定するヒンジ負荷計算アプリ。 いずれもブラウザだけ・インストール不要、日英の計算書(PDF)出力に対応しています。

※ いずれもベータ版です。完成度を高めながら、当面は無料で公開します(将来的に有料化する場合があります)。

機械安全・電気安全・人間工学などの「面倒な規格計算」をブラウザだけで完結できるWeb計算アプリ群に、 今回2本の新アプリを追加しました。どちらも数値を入れるだけで判定・根拠・改善のヒントまで表示し、 結果は日本語/英語の計算書(PDF)として出力できます。

今回追加した2つのアプリ
  1. 姿勢安定性(転倒)検証アプリ ― 何度傾いたら転倒するかを検証
  2. SEMI S2 ヒンジ負荷計算アプリ ― 扉・パネルのヒンジ部品の安全率を検証

① 姿勢安定性(転倒)検証アプリ ― 何度傾いたら転倒するか

搬送カートや背の高い装置は、重心が高い・脚の間隔が狭いと、少し傾いただけで転倒するおそれがあります。 「どれくらい傾けたら倒れるか(臨界転倒角)」を把握し、必要な傾斜角を満たすか確認したいところですが、 脚を結んだ支持多角形や重心からの転倒角の計算は手間がかかり、どの向きが一番危ないかも見えにくいものでした。

このアプリは、脚の位置・重心・重量を入力するだけで、静的な力の釣り合いから転倒しやすさを自動計算します。

  • 脚の座標から支持多角形を自動生成し、最も転倒しやすい方向を自動で探索して臨界転倒角 θ(=arctan(d/h))を算出します。
  • 必要な傾斜角(既定 10°)に対して適合/不適合を判定。不適合なら「脚をあと何mm広げる」「重心を何mm下げる」など、合格に必要な具体的な数値を提示します。
  • 入力に連動する平面図(脚・支持多角形・重心)をリアルタイム表示。脚や重心の点はドラッグで動かせます
  • 各脚の鉛直反力の配分も表示し、浮き上がり(負反力)を検出します。
  • 入力条件・判定・根拠をまとめた日本語/英語の計算書をPDF出力できます。

評価範囲:自重による静的な傾斜転倒のみを対象とします(地震・衝撃などの動的外力、床の摩擦・滑り、脚のガタは対象外)。 キャスタ等の移動輪は対象外で、固定脚を前提とします。判定角は特定規格を断定しません(10° は傾斜安定性試験で広く用いられる代表値。適用規格は必ずご確認ください)。

姿勢安定性(転倒)検証アプリの画面。脚の座標・重心から臨界転倒角を計算
▲ 脚の座標・重心・重量を入力すると、支持多角形と重心の位置関係から臨界転倒角と合否を判定。平面図はドラッグで調整できます。

② SEMI S2 ヒンジ負荷計算アプリ ― 扉・パネルのヒンジは十分に丈夫か

装置の扉やメンテナンスパネルなど、ヒンジ(蝶番)で支える蓋は、 SEMI S2-0724 §18.7 で「支持・移動する各部品が十分な安全率をもつこと」が求められます。 ところがヒンジ軸・連結ピン・ストッパー・蝶番などにかかるせん断・曲げ・ねじり・支圧の応力計算は煩雑で、 どの壊れ方(モード)が一番危ないかを見落としやすいのが悩みでした。

このアプリは、ヒンジ荷重と各部品の条件を入力すると、安全率 SF=降伏強さ÷発生応力 ≧ 3 を満たすかを検証します。

  • 【目玉】全視点チェック:1つの軸・ピンに対して直接せん断・曲げ・ねじり・てこ比・支圧(+von Mises 合成)の6つの応力視点を同時に計算し、最も不利なモード(最小の安全率)を自動採用します。危険側の見落としを防ぎます。
  • 蓋の重さが分からなくても、形状・寸法・材質から質量を安全側に概算して荷重に使えます。
  • ステンレス・鋼・アルミ・ボルト強度区分など主要材料の物性(降伏強さ)を内蔵。調べる手間を省けます。
  • 不適合なら「軸径を何mm以上」「荷重を何N以下」「本数を増やす」など、合格に必要な数値を逆算して提示します。
  • 単純なヒンジ1軸だけを手早く見るスクリーニング(自動判定)モードも用意。根拠条項つきの日本語/英語の計算書をPDF出力できます。

準拠:SEMI S2-0724 §18.7(Mechanisms Supporting and Moving Hinged Loads)。総質量 5kg 超が対象〔§18.7 EXCEPTION〕、 各部品で安全率=降伏強さ/発生応力 ≧ 3〔§18.7.3.1〕。せん断は τ_y = 0.577·σ_y(von Mises)で評価します。

SEMI S2 ヒンジ負荷計算アプリの画面。ヒンジ荷重と部品条件から安全率を判定
▲ ヒンジ荷重と各部品の条件を入力すると、6つの応力視点で安全率を計算し、最も不利なモードで合否を判定します。

2つに共通する特長

  • インストール不要:ブラウザだけで動作。計算はすべて手元(端末側)で行われます。
  • 判定の根拠を明記:計算過程・式・(該当する場合は)規格条項を計算書に記載。
  • 計算書をPDF出力:社内確認や顧客提出、テスト報告書の添付に使えます。
  • 日本語/英語の切り替え:海外向けの資料づくりにも対応。
  • 改善のヒントつき:不適合のときも「どうすれば通るか」を具体的な数値で提示します。
ご利用にあたって:これらのアプリは設計検討・社内確認を助ける参考ツールです。 計算結果は目安であり、最終的な適合性の判断は、規格原本の確認および有資格者・認証機関の評価によって確定してください。 なお現在はベータ版として当面無料で公開しており、機能の改良に伴い仕様の変更や、将来的な有料化を行う場合があります。

ほかにも、SCCR・耐震・ライトカーテン・ロボット柵・重量物取扱い(MMH)などのWeb計算アプリを公開しています。 ぜひあわせてお試しください。「こんな計算も自動化したい」というご要望や、お気づきの点があればお気軽にお知らせください。