Web計算アプリ 5本 を同時公開しました

★ NEW RELEASE / 一挙同時公開

安全規格の「面倒な計算」を一掃する
Web計算アプリ 5本 を同時公開しました

SCCR・レーザークラス・人間工学(MMH)・耐震・ロボット柵強度 ― 様々な分野の専門計算を、どれもブラウザだけ・インストール不要でその場に。 機械安全から電気安全、半導体装置まで一挙にカバーする5本まとめての公開です。

※ いずれもベータ版です。完成度を高めながら、当面は無料で公開します(将来的に有料化する場合があります)。

現場で「毎回つまずく面倒な計算」は分野ごとに様々です。だからこそ今回は、 それぞれの分野を代表する5つの計算アプリをまとめて一挙に公開しました。 バラ売りではなく“5本そろい踏み”でお届けするのが今回の目玉です。 登録不要、パソコンでもタブレットでもその場で使えます。本記事では、それぞれが 何の役に立つのかを、専門外の方にもわかるように紹介します。

今回そろって公開した5つのアプリ
  1. UL 508A SCCR 計算アプリ ― 制御盤の短絡電流定格
  2. IEC 60825-1 レーザークラス判定アプリ ― レーザー製品の安全クラス
  3. NIOSH MMH 計算アプリ ― 重量物取扱い(腰痛リスク)の評価
  4. SEMI S2 耐震計算アプリ ― 半導体製造装置のアンカー耐震
  5. ロボット柵 強度計算アプリ ― 安全柵がロボットの力に耐えるか

いずれも各種規格の条項を計算ロジックに落とし込んだ設計支援ツールです。 数値を入れるだけで判定・根拠・改善のヒントまで表示され、結果は計算書(PDF)として出力できます。 日本語/英語の切り替えにも対応しているので、海外向けの提出資料づくりにも使えます。


① UL 508A SCCR 計算アプリ ― 制御盤が「短絡」に何kAまで耐えるか

北米へ装置を輸出するとき必ず問われるのが SCCR(短絡電流定格)です。 これは「制御盤が、電源側で大きな短絡事故(ショート)が起きても安全に持ちこたえられる電流の上限」を表す値で、 盤の銘板に必ず表示しなければなりません。ところが盤の中には遮断器・コンタクタ・端子台など多数の部品があり、 その中の「いちばん弱い部品」が盤全体の定格を決めてしまう(最弱リンクの原則)ため、 手計算ではどこがボトルネックか見えにくいのが悩みでした。

このアプリは、フィーダ回路・分岐回路の部品を入力すると、盤全体のSCCRを自動算出します。

  • 盤全体のSCCRをkA単位で表示。設置先の想定故障電流と比べて「設置できるか」を判定します。
  • 定格を律速している「最弱リンク」部品を自動特定。どこを対策すべきか一目でわかります。
  • 定格の引き上げシミュレーション。限流ヒューズ〔SB4.3.3〕や絶縁二次巻線の電力変圧器〔SB4.3.1〕を使うと どこまで定格が上がるかをその場で試算できます。
  • テスト報告書にそのまま貼れる英文の算出根拠(条項番号つき)を自動生成。
  • 回路図を見ながら操作できる「定格向上ガイド」(全12スライド・PDF出力可)を内蔵。

準拠:UL 508A:2022 Supplement SB(SB4)/無表示部品は Table SB4.1 の既定値を適用。

UL 508A SCCR計算アプリの画面。回路図で最弱リンクと定格向上の構成を表示
▲ フィーダ回路/分岐回路を回路図で可視化。限流ヒューズや変圧器による定格向上の構成もその場で確認できます。

② IEC 60825-1 レーザークラス判定アプリ ― レーザーの危険度を自動分類

レーザーを使った製品は、その危険度に応じて クラス1〜4に分類し、 必要な安全対策(インターロックや警告ラベルなど)を備える必要があります。 分類には波長やパワー、パルス条件ごとにAEL(被ばく放出限界)を表から引き、 補正係数をかけ合わせる複雑な計算が必要で、専門知識がないと手が出しにくい領域でした。

このアプリは、波長・パワー・パルス条件を入力するだけでクラスを判定します。

  • レーザークラス(1 / 2 / 3R / 3B / 4)を自動判定。複数の光源や複数波長にも対応します。
  • 各クラスのAEL値と合否を一覧表示。判定の根拠となる規格条項にリンクで飛べます。
  • クラスに応じて必要な安全対策(保護ハウジング・インターロック・キースイッチ・発光警告など)を提示
  • 警告ラベルの見本(黄色のハザード表示)を自動生成。印刷・PDF保存ができます。
  • FDA(米国)表記やSEMI S2向けのレーザーデータシートの出力にも対応。

準拠:IEC 60825-1:2014(第3版)/FDA 21 CFR 1040、SEMI S2 Appendix 5 にも対応。

IEC 60825-1 レーザークラス判定アプリの画面。波長・パワーを入力しクラスを判定
▲ 左に光源条件を入力すると、右にクラス判定・AEL一覧・必要な安全対策が表示されます。

③ NIOSH MMH 計算アプリ ― 「その持ち上げ作業、腰に大丈夫?」を数値化

工場・倉庫・クリーンルームなどで重い物を持ち上げる作業には、つねに腰痛のリスクがつきまといます。 「この重さ・この姿勢で大丈夫か」を感覚ではなく科学的に判断する世界標準が NIOSH 改訂版リフティング方程式です。このアプリは、その方程式をブラウザで誰でも使える形にしました。

荷重・持ち上げ位置・姿勢・頻度などを入力すると、リスクを指標で示します。

  • RWL(推奨重量限界)=「この重さ以下なら安全」という限界値を算出。
  • LI(リフティング指数)で、現在の作業のリスクを安全/注意/危険/高危険の4段階で色分け表示。 (LI ≤ 1.0 が安全の目安)
  • 水平距離・高さ・頻度・握りやすさなど7つの補正係数を棒グラフで可視化。どの条件が足を引っ張っているか一目瞭然。
  • 「何kgまでなら安全か」を逆算アドバイス。具体的な改善目標を提示します。
  • 複数の作業をリスト登録してまとめて比較。クリーンルームの手袋作業(握り品質の低下)にも配慮した評価ができます。

準拠:NIOSH 改訂版リフティング方程式(1994, Publication No. 94-110)/SEMI S8 の適用範囲にも言及。

NIOSH MMH計算アプリの画面。作業条件を入力しRWLとLIを算出
▲ 図解つきの入力フォーム。入力に合わせて右側のRWL・LI・補正係数がリアルタイムに更新されます。

④ SEMI S2 耐震計算アプリ ― 半導体装置が地震で倒れないか

半導体・ディスプレイ製造装置は、地震の多い地域に置かれることも多く、 SEMI S2-0724 の §19(耐震保護)で「地震時に転倒・移動しないようアンカー固定すること」が求められます。 装置の重さ・重心・アンカー配置から、地震力でボルトにかかる応力を計算し、許容値に収まるか確認する必要がありますが、 方向ごとの転倒モーメントや組合せ応力の計算は手間がかかり、見落としも起きがちでした。

このアプリは、装置とアンカーの条件を入力するとアンカーボルトの耐震判定を行います。

  • 地震力係数を自動設定。NFPA 704 の危険度(ファイアダイヤモンド)を入力すると、HP/HPM 判定と係数が自動で決まります。
  • 転倒モーメントとボルト応力を全方向で評価し、最も不利な方向を自動採用。見落としを防ぎます。
  • 引張・せん断・組合せ応力(相互作用)で PASS / FAIL を判定。検定比で危なさの度合いが見えます。
  • NG のときは必要なボルト径・強度区分・本数の目安を提示。
  • 英文の正式な耐震計算書(A4)をPDF出力。テスト報告書の添付資料に使えます。

準拠:SEMI S2-0724 §19(HP/HPM判定は §5.2.36・NFPA 704)/ボルト強度は JIS B 1051・B 1054。 ※本アプリはボルト軸部の照査が対象です。コンクリート側の耐力(コーン破壊等)はアンカーメーカーの認定値で別途確認が必要です。

SEMI S2耐震計算アプリの画面。装置条件とアンカー配置からボルト応力を判定
▲ NFPA 704 の危険度入力から地震力係数を自動設定。寸法図を見ながらアンカー配置を入力できます。

⑤ ロボット柵 強度計算アプリ ― 安全柵はロボットの力に耐えるか

産業用ロボットのまわりには、作業者を守るための安全柵(防護柵)が設けられます。 ISO 10218-2では、この柵がロボットの推力や衝撃力に対して 「危険な変形を起こさない強度」を備えることを求めています。 リスクアセスメントで設計力を決めても、実際に柵パネルの曲げ応力やたわみを計算するのは手間のかかる作業でした。

このアプリは、柵にかかる力とパネル仕様を入力すると強度とたわみを自動検証します。

  • ロボットが柵に与える力 F を、推力の直接入力でも、有効質量×速度からの衝撃力計算でも設定可能。
  • パネルの曲げ応力と安全率、たわみ量を計算し、OK / NG を判定。固定方法(両端固定・単純支持・片持ち)も選べます。
  • NG のときは「板厚を増やす」「スパンを縮める」などの具体的な改善ヒントを表示。
  • アルミ・鋼板・ステンレス・ポリカーボネートなど主要材料の物性値とボルト規格を内蔵。調べる手間を省けます。
  • ポリカ窓の耐衝撃固定ボルトの強度もオプションで検証でき、計算書をPDF出力できます。

準拠:ISO 10218-2:2011 5.4.3 / ISO 10218-2:2025 5.4・5.8.5(ISO 14120:2015 参照)。

ロボット柵強度計算アプリの画面。柵にかかる力とパネル仕様から強度を判定
▲ 寸法定義図と固定方法の解説図つき。複数のパネルを登録して一括で強度判定できます。

5つに共通する特長

  • インストール不要:ブラウザだけで動作。計算はすべて手元(端末側)で行われます。
  • 規格の条項を実装:判定の根拠となる規格番号・条項を画面と計算書に明記。
  • 計算書をPDF出力:社内確認や顧客提出、テスト報告書の添付に使えます。
  • 日本語/英語の切り替え:海外向けの資料づくりにも対応。
  • 改善のヒントつき:NG のときも「どうすれば通るか」を提示します。
ご利用にあたって:これらのアプリは設計検討・社内確認を助ける参考ツールです。 計算結果は目安であり、最終的な適合性の判断は、規格原本の確認および有資格者・認証機関(NRTL等)の評価によって確定してください。 なお現在はベータ版として当面無料で公開しており、機能の改良に伴い仕様の変更や、将来的な有料化を行う場合があります。

ぜひ実際の業務でお試しください。「こんな計算も自動化したい」というご要望や、お気づきの点があればお気軽にお知らせください。