JIS B 9991-1:2017 関連解説

機械式駐車設備の安全要求事項であるJIS B 9991を読み進めるにあたり便利なように
他の規格へとリンクしている箇所の抜粋と可能な範囲でリンク先の内容を引用してみました。
参照および付属書の内容は割愛しております。

4.リスクアセスメント
5.安全要求事項
5.1 一般事項

これらの項目では機械式駐車場設備はJIS B 9700に基づいたリスクアセスメントの実施が求められております。

弊社では、リスクアセスメントの結果の表を一緒に作成していくワークショップ形式のセミナーを通して
理解を深めていただき、またその際にフォーマット提出・セミナー成果物提出をいたしますので
社内研修、設計、技術ファイル文章としてご活用いただけます。


5.3.1 d)
5.3.2 a)
5.5.1.1 e) 5)
固定の囲いおよび扉の面の隙間がJIS B 9718:2013の表5に基づいて設計されていることが求められております。
(英文ですが同じ表のISO 13857の表5を参考として掲載します)

5.4.2 b)
外囲いの高さがJIS B 9718:2013の表1に基づいて設計されているかを求められております。
(英文ですが同じ表のISO 13857の表1を参考として掲載します)

5.6.5.2
機械式駐車場設備に設置される主たる昇降手段としての固定はしごはJIS B 9713-4:2000に基づいて設計されていることが求められております。

5.7.1.1
機械式駐車装置に給電する電源は JIS B 9960-1:2008の4.3項の規定を満たすことが要求されております。

4.3電源

4.3.1 一般
電気装置は,次のいずれかの電源条件で,正しく作動するように設計しなければならない。
− 4.3.2又は4.3.3に規定する電源
− 使用者が指定する電源
− 供給者が指定する特殊な種類の電源(4.3.4を参照)

4.3.2 交流電源
電圧 定常時の電圧が公称電圧の0.9〜1.1倍
周波数 公称電源周波数の0.99〜1.01倍(連続)又は0.98〜1.02倍(短時間)
高調波 高調波ひずみ(含有率)は,第2高調波から第30高調波までの合計が充電導体間の総電圧実効値の12 %以下
電圧不平衡 三相電源の逆相分の電圧及び零相分の電圧は,いずれも正相分の2 %以下 瞬時停電 電源の中断又は無電圧状態は,供給電源のサイクルのどの時点でも3 ms以下で,次の中断までの間隔は1秒を超える。
電圧降下 降下量は電源の実効値の20 %以下で,降下持続時間は1サイクルの長さを超えず,次の電圧降下までの間隔は1秒を超える。

4.3.3 直流電源
電池電源
電圧 公称電圧の0.85〜1.15倍 電池駆動車両の場合は,公称電圧の0.7〜1.2倍 瞬時停電 5 ms以下
コンバータ電源
電圧 公称電圧の0.9〜1.1倍 瞬時停電 20 ms以下。
次の中断までの間隔は,1秒を超える。
注記 電子機器の適切な作動を保証するため,IEC Guide 106(の規定値500 ms)を変更している。 リップル(p-p値) 公称電圧の0.15倍以下

JIS B 9960-1:2008 4.3項

5.7.1.2 a)
電気装置はJIS B 9960-1:2008の6項の規定を満たすことが要求されております。

6. 感電保護
6.1 一般
6.2 基本保護
6.3 故障保護
6.4 PELVの仕様による保護

JIS B 9960-1:2008 6項

5.7.1.2 b)
電気装置はJIS B 60364-5-54の規定を満たすことが要求されております。

JIS C 60364-5-54:2006 (IEC 60364-5-54:2002)
建築電気設備−第5-54部: 電気機器の選定及び施工− 接地設備,保護導体及び保護ボンディング導体

JIS C 60364-5-54:2006 タイトル

5.7.1.3
前庭に接する電気機器でたとえば体内埋め込み医療機器に影響を及ぼす恐れがある場合JIS C 60364-4-44:2011の444.4.2の方法で保護することが要求されております。

444.4.2 電磁障害を低減するための手段

次の手段が電磁障害を低減する。

a) 電磁的影響に敏感な電気機器に対しては,伝導する電磁現象との電磁両立性を改善するために,サージ保護装置及び/又はフィルタを用いることが望ましい。 注記 フィルタの設置によって,高周波の漏れ電流が増大するおそれがある。

b) ケーブルの金属製被覆は,CBNに接続することが望ましい。

c) 電力用,信号用及びデータ回路用配線の共通ルートを選定する場合は,誘導性ループを避けることが望ましい。

d) 電力用電線及び信号用電線は,分離して配置し,実施可能な場所では相互に直角に交差させることが望ましい(444.6.3参照)。

e) 保護導体への誘導電流を低減するために同軸ケーブルを用いる。

f) 周波数制御電動機運転の変換装置と電動機との間の電気的接続のための平衡形多心ケーブル(例えば,分離した保護導体を含む遮蔽層付き電線)を用いる。

g) 製造業者の説明書のEMC要求事項に従った信号用電線及びデータ用電線の使用。

h) 雷保護システムを設置する場合は,次による。 − 電力用電線及び信号用電線は,最小離隔距離の確保又は遮蔽層を用いることによって,雷保護システム(LPS)の引下げ導体から分離しなければならない。最小離隔距離は,IEC 62305-3に従ってLPSの設計者が決めなければならない。 − 電力用電線及び信号用電線の金属製被覆又はシールドは,JIS Z 9290-4及びIEC 62305-3に規定する雷保護の要求事項に従ってボンディングすることが望ましい。

i) 遮蔽層付信号用電線又はデータ用電線を用いる場合は,接地した信号用電線又はデータ用電線の遮蔽層及び心線を経由して流れる電力系統からの故障電流を制限するように注意することが望ましい。例えば,遮蔽層を強化するためのバイパス等電位ボンディング導体などの追加導体を必要とすることがある(図44.R1参照)。

j) 遮蔽した信号用電線又はデータ用電線が,TT系統から電力供給する複数の建築物に共通である場合 は,バイパス等電位ボンディング導体を用いることが望ましい(図44.R2参照)。バイパス導体は,銅で16 mm2又は同等の最小断面積のものでなければならない。同等の断面積は,JIS C 60364-5-54の544.1(主接地端子に接続するための保護ボンディング導体)に従った寸法でなければならない。

k) 等電位ボンディングの接続は,次のような方法によって,できる限り低いインピーダンスにすることが望ましい。− できるだけ短くする。 − 径路の1 m当たりの誘導性リアクタンス及びインピーダンスが低くなるような断面の形状を用い る。例えば,幅に対する厚さの比率が5対1となるボンディング用編組線。

l) 接地母線が,建築物内の相当数の情報技術設備の等電位ボンディングシステムの支援を目的とする場合(444.5.7による)には,閉鎖リングとして施設してもよい。 注記5 通信産業の建築物には,この手段を適用することが望ましい

JIS C 60364-4-44: 2011, 444.4.2項

5.7.1.4 b)
操作盤および制御装置部の押しボタン、照光式押しボタン、表示灯および表示器はJIS B 9960-1:2008の10.2 – 10.3項の規定を満たすことが要求されております。

5.7.5.2 d)
非常停止機器はJIS C 8201-5-5に基づいて設計されていることが求められております。

5.7.5.2 c)
非常停止、リモコンの停止制御、検知器による停止はJIS B 9703:2011の4.1.4が示す停止カテゴリ0または停止カテゴリ1で設計されていることが求められております。

4.1.4非常停止機能は,次の停止カテゴリのどちらかに従う機能としなければならない。

a)停止カテゴリ 0 次の手段による停止
− 機械アクチュエータへの動力の即時供給遮断
− 危険な部位とその機械アクチュエータ間の機械的分離(切り離し)。必要な場合,ブレーキによる制動

b)停止カテゴリ 1 停止するために,機械アクチュエータへの動力を必要とし,停止したとき動力が遮断される制御停止
動力供給遮断の例には,次を含む。
− 機械の電気モータへの電力遮断
− 動力可動要素からの機械エネルギー源の切り離し
− 機械の液圧/空圧機械アクチュエータへの流体動力源遮断

JIS B 9703:2011, 4.1.4項